読書メモ(27)
【期間:2022/02/01~2022/02/15】
①『なりすまし 正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験』スザンナ・キャハラン 訳・宮﨑真紀(亜紀書房・2021)
②『海をあげる』上間陽子(筑摩書房・2020)
③『安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと』安藤泰至(岩波ブックレット・2019)
④『「尊厳死」に尊厳はあるか ある呼吸器外し事件から』中島みち(岩波新書・2007)
⑤『記憶する体』伊藤亜紗(春秋社・2019)
⑥『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』ブレイディみかこ(文芸春秋・2021)
⑦『東大助手物語』中島義道(2017・新潮文庫)
①―「「病院に入りたいなら、頭がおかしいふりをしなくちゃ」。脳炎を精神病と誤診された過去を持つジャーナリストは、かつて全米医学会を大きく揺るがした心理学実験――精神病患者になりすまして病棟に潜入する「ローゼンハン実験」の調査・取材を開始する。やがて、実験に隠されたある奇妙な点に気が付く。次第に明らかになる衝撃の真実とは...!?」「これは患者5213号の初入院の模様である。名前はデヴィッド・ルーリー。39歳のコピーライターで、子どもが2人いる。頭の中で声が聞こえるという。しかしそこには問題があった。彼はコピーライターでもないし、ルーリーという名字でもない。じつはそんな人物は存在しないのだ。実在しない『デヴィッド・ルーリー』は偽患者だった。約50年前、医師が精神病患者とそうでない人を区別できるのかどうか確かめるために、精神科施設にみずから入院した8人の健常者のうちの最初の1人なのである」(本書より)「調査報道の偉業。探偵小説のような説得力」(「エコノミスト」誌)(https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1010&st=4)
★面白い。読み応えのある一冊。
②―「おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。沖縄の生活を、幼い娘のかたわらで、強く、静かに描いた傑作。」(初出=Webちくま2019年4月 ~ 2020年3月:https://www.chikumashobo.co.jp/special/umiwoageru/)
③―「安楽死や尊厳死をめぐる議論はなぜ混乱するのか?知っておくべき歴史や背景,言葉のからくりを指摘し,「死の自己決定権」「延命治療」といった言葉も吟味し直しながら,その議論が陥りやすい落とし穴を明らかにする.「よい死」を語る前に私たちが真に議論すべきことは何か.人間らしい尊厳ある生き方を求めて,医療文化,社会のあり方を問い直す.」(https://www.iwanami.co.jp/book/b458060.html)
★タイトル通り。
④ー「2006年3月,富山県の射水市民病院で入院中の末期患者7人の人工呼吸器が取り外され,死亡していたことが明らかになった.実際にはいかなる事態が起きたのか? その後つづいた「尊厳死法制化」をめぐる政府・医療界・メディア等の動きも踏まえ,今,日本の終末期医療に真に求められていることは何かを渾身で問いかける.」(https://www.iwanami.co.jp/book/b225880.html)
⑤―「誰もが自分だけの体のルールをもっている。階段の下り方、痛みとのつきあい方……。「その人のその体らしさ」は、どのようにして育まれるのか。経験と記憶は私たちをどう変えていくのだろう。視覚障害、吃音、麻痺や幻肢痛、認知症などをもつ人の11のエピソードを手がかりに、体にやどる重層的な時間と知恵について考察する、ユニークな身体論。」(https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393333730.html)
⑥―「「わたしがわたし自身を生きる」ために――エンパシー(=意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。/・「敵vs友」の構図から自由に外れた“エンパシーの達人”金子文子/・「エンパシー・エコノミー」とコロナ禍が炙り出した「ケア階級」/・「鉄の女」サッチャーの“しばきボリティクス”を支えたものとは?/・「わたし」の帰属性を解放するアナーキーな「言葉の力」/・「赤ん坊からエンパシーを教わる」ユニークな教育プログラム…etc. /“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神……現代社会の様々な思い込みを解き放つ!〈多様性の時代〉のカオスを生き抜くための本。」(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163913926)
⑦―「「きみのあの態度は何だ!」15年間の大学生活、ウィーンへの私費留学……。出口のない生活から私を救い、東大助手に採用してくれた教授の一言から「いじめ」は始まった。「髭を剃ったらどうか?」私を助教授にするため、あれこれ画策してくれる「恩人」から数カ月に及ぶ罵声と執拗な攻撃を受けながら、大学とは、学界とはなんたるかを知るまでを描く壮絶な「アカデミズムの最底辺」体験記。」(https://www.shinchosha.co.jp/book/146731/)
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