烈風の中に舞え

割かれましょう、突風に。
舞いましょう、烈風に。

決して再び、友との蛍窓の日々が少女から奪われてしまわぬように。

撃たれましょう、突風に。
舞いましょう、烈風に。

決して再び、幼子と妻を残しひとり南洋のあぶくとなりし中年兵の、その無念を繰り返させぬように。

衝かれましょう、突風に。
舞いましょう、烈風に。

決して再び、その七つの子が火の町に兄を探さずとも済むように。

現代詩文書作家・小川妙子先生作(上文章は筆者による)

書くこと。生きること。:Hiromi's Blog

書くこと。学び、考えること。難病ALSに罹患し、世界や自分のあり様を疑う戦慄の時間。生きた証として書いていきます。 satohiromi.amebaownd.com/