読書メモ⑫
『官僚たちの夏』『総会屋錦城』と、この国の昭和30年代に生きた人たちを描く城山三郎の小説を読む。
感覚も信念も常識も情熱も不安も屈辱も、数十年しか違わない今と何もかもが違うことに愕然とし、何も違わないことに戸惑いながら安堵する。登場人物たちの去ってしまった後、私たちの今確かにここにいるということの感慨と不思議。
【期間:2021/06/16~2021/06/30】
①『花渡る海』吉村昭(中公文庫・1988)
②『冬の鷹』吉村昭(新潮文庫・1976)
③『新装版 北天の星 上』(講談社文庫・2000)
④『新装版 北天の星 下』(講談社文庫・2000)
⑤『雪の花』吉村昭(新潮文庫・1988)
⑥『まなざしの地獄 尽きなく生きることの社会学』見田宗介(河出書房新社・2008)
⑦『ルイズ-父に貰いし名は』松下竜一(講談社・1982)
⑧『鼠 鈴木商店焼打ち事件』城山三郎(文春文庫・2011)
⑨『官僚たちの夏』城山三郎(新潮文庫・1980)
⑩『総会屋錦城』城山三郎(新潮文庫・1963)
⑦―アナキスト大杉栄と伊藤野枝の末娘、ルイズ。両親を官憲に虐殺され、"主義者の子"の十字架を背負い生きねばならなかった彼女の半生と、女性としての自立。昭和という時代。第4回講談社ノンフィクション賞受賞作。
⑩―第40回直木賞を受賞した表題作や、第4回「文學会」新人賞を受けた「輸出」など、小説七編を収める。いずれも力強く、一気に読み切った。
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