読書メモ⑭
体調不良。本は読めた。
【期間:2021/07/16~2021/07/31】
①『辛酸』城山三郎(角川文庫・1979)
②『新装版 間宮林蔵』吉村昭(講談社文庫・2011)
③『人間の生のありえなさ <私>という偶然をめぐる哲学』脇坂真弥(青土社・2021)
④『嘘と政治 ポスト真実とアーレントの思想』百木漠(青土社・2021)
⑤『動物農場[新訳版]』ジョージ・オーウェル 訳・山形浩生(ハヤカワepi文庫・2016)
⑥『一九八四年[新訳版]』ジョージ・オーウェル 訳・高橋和久(ハヤカワepi文庫・2009)
⑦『他者の苦しみへの責任 ソーシャル・サファリングを知る』アーサー・クラインマン、ジョーン・クラインマン、ヴィーナ・ダス、ポール・ファーマー、マーガレット・ロック、E・ヴァレンタイン・ダニエル、タラル・アサド 訳・坂川雅子(みすず書房・2011)
⑧『他者の苦痛へのまなざし』スーザン・ソンタグ 訳・北條文緒(みすず書房・2003)
③-「私はなぜこの<私>なのか―この問いが苦しみにかわるとき、私たちの旅は始まる。田中美津の生と身体をめぐる実践、アルコール依存症者の無力の自覚、シモーヌ・ヴェイユの科学批判。一見つながりのないこの三つのテーマから、私という存在の奥底にある不思議な暗さに触れ、それに驚き、そこから新しい自分を再びつかみ直そうとする。意志の破綻から自己肯定へ。私という偶然のもたらすも苦悩から<他者>との出会いへと開かれていく、この平坦ならざる道のりの導きとなる書。」(帯より)
④-「オルタナ・ファクト、フェイク・ニュース、公文書改竄、統計不正、破綻した国会答弁、歴史修正主義、陰謀論…。異なる現実を語り、異なる世界を生きる人々とどう向き合えばいいのか。真実をめぐって分断された現代読み解くには、時代と対峙しつづけたハンナ・アーレントの思想が手掛かりになる。絶えず変化する社会に飛び込み、他者とともに「活動」を始めるための思想。」(帯より)
⑤-ロシア革命を題材にした、あまりに有名な寓話。無知で臆病で弱腰で、強いられたままに何も考えず個としての意見も持たない動物たちの態度(私たち!)
⑥-1949年発表。ディストピア小説の最高傑作。「<ビッグ・ブラザー>率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィントン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は以前より、完璧な屈従を強いる体制に不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるのだが…。」(裏表紙解説より)
⑦-「貧困・難民問題など、社会的につくられる苦しみをグローバルに捉える際、統計の網にかからない実相を捨象するのはあまりにたやすい。数値化の威力ばかりが叫ばれる時代にこそ、「質的な」側面へのアプローチが切実に求められる。収録の論考は、ハイチにエイズを蔓延させる社会構造(ファーマー論文)、移民が民族と国家を失うプロセス(ダニエル論文)など、社会的につくられる苦しみについての当事者自身による「表現」を掘り起こしつつ、同時にそれをグローバルな視座から位置づけている。『ケヴィン・カーターの写真と同じように「他者の苦しみへの責任」は何らかの形で可視化されなければならない。商品になってしまうことも承知の上で、より強く訴える表現手段を用意しなければならない。この論集もそういう意図から編まれたものだ。』」(裏表紙解説より)
⑧-「本書は、戦争の現実を歪曲するメディアの紛争を表面的にしか判断しない専門家への鋭い批評であると同時に、現代における写真=映像の有効性を真摯に追及した<写真論>でもある。自らの戦場体験を踏まえつつ論を進める中で、ソンタグは、ゴヤの「戦争の惨禍」からヴァージニア・ウルフ、クリミア戦争からナチの強制収容所やイスラエルとパレスチナ、そして、2001年9月11日のテロまでを呼び出し、写真のもつ価値と限界を検証してゆく。さらに本書は、戦争やテロと人間の本質、同情の意味と限界、さらに良心の責務に関しても熟考を迫る、きわめて現代的な一冊である。」(裏表紙解説より)
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