読書メモ⑮
引き続き体調不良。本は読めた。よかった。
【期間:2021/08/01~2021/08/15】
①『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 訳・三浦みどり(岩波現代文庫・2016)
②『敗戦後論』加藤典洋(ちくま学芸文庫・2015)
③『逃亡者の社会学 アメリカの都市に生きる黒人たち』アリス・ゴッフマン 訳・二文字屋脩、岸下卓史(亜紀書房・2021)
④『意識と感覚のない世界 実のところ、麻酔科医は何をしているのか』ヘンリー・ジェイ・プリスビロー 訳・小田嶋由美子 監修・勝間田敬弘(みすず書房・2019)
⑤『THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか』ノリ―ナ・ハーツ 訳・藤原朝子(ダイヤモンド社・2021)
⑥『海馬』吉村昭(新潮文庫・1992)
①-本当のこと。本当にあったこと。歴史の 、大文字の言葉ではなく、生身の人間の言葉で語られた戦争。「ソ連では第二次世界大戦で百万人をこえる女性が従軍し、看護師や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった―。五百人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著。」(裏表紙解説より)
②-「戦後の日本人は、なぜ先の大戦の死者をうまく弔えないのか。なにゆえ今も、アジアへの謝罪をきちんと済ませられないのか。なぜ私たちは、占領軍に押し付けられた憲法を「よい憲法」だと感じるのか。このような敗戦の「ねじれ」の前に、いま、立ち止まろう。そうでなければけっしてその先には行けない-。新しい大戦の死者の弔い方、憲法の「選び直し」など、ラディカルな問題提起により大論争を巻き起こした本書は、そこでの警告がことごとく現実となったいま、喫緊の戦後問題を考える上で不可欠の一冊となった。」(裏表紙より)
③-「フィラデルフィアの貧しい黒人居住区に分け入った著者は、警察に追われ続ける男性たちと、彼らを支える女性や家族のあり方を明らかにしていく。犯罪が日常化した暮らし、巨大な影響を及ぼす司法システム、それに対する人々の一筋縄ではない関わり…。」(帯より)「自分が当のアリスだったらと想像するなら、フィラデルフィアの一角で行われた調査の凄みを理解することができるだろう。人種的かつ経済的にも政治的にも周辺化された黒人コミュニティに若い白人女性が六年間ものあいだ一人で出入りするということがどれほど大変なことかは、日本社会にいてはなかなか実感しにくいことだが、様々な困難があったことは容易に想像できる。本書の記述には、文字通り体当たりの調査を通して築かれたアリスと調査対象者たちの信頼関係が、行間から滲み出ている。」(訳者解説より)
④-「2012年、権威ある医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』は、その200年の歴史において掲載した論文の中から、もっとも重要な一本を選ぶ読者投票を行った。X線写真や抗生物質の発見など、その後のあらゆる画期的な進歩に関する論文を抑えて読者が選んだ「栄あるベストワン」は、1846年に掲載されたエーテル吸入による初めての無痛手術についての論文だった。今日では、麻酔は脳や心臓の手術から虫歯の治療にいたるまで、医療現場になくてはならないものになった。しかし、発見から170年以上が経ったいまでも、麻酔薬が私たちに作用するメカニズムは多くの謎に包まれたままなのだ。メスで身体を切り刻まれているあいだ、痛みを感じないのはなぜなのか?手術のあと、何事もなかったように目を覚ますことができるのはなぜなのか?3万回以上の処置を行ってきた麻酔科医が、麻酔薬の歴史から麻酔科医の日常までを描く、謎めいた医療技術をめぐるノンフィクション。」(裏表紙解説より)
⑤-「現代のライフスタイルや、仕事や人間関係の性質、都市やオフィスのデザイン、人と人との接し方、政府による市民の扱い方、スマートフォン依存症、そして人の愛し方-こうしたことすべてが、現代人の孤独を悪化させている。そんななかで私たちが孤独を感じないためには、人から奪うだけではなく与え、周囲に気を配り、お互いに親切に振舞い、敬意を払わなければならない。また、私たちを引き裂こうとする世界で結束するためには、資本主義と公益をもう一度結び付け、思いやりと協力を中心に据えたコミュニティをつくり、それを自分とは異なる人たちにも広げる必要がある。」(第1章より・帯より)
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