備忘録2021/08/13


舌がおかしい。

舌の左脇のあたりが、ほんのわずかに引きつる瞬間がある。

そろそろ、気の所為だと自分に言い聞かせるのは無理なようだ。


初めは足がこんな風だった。

そのうち手もおかしいなと感じ始めて、私は自分に気付かれないように顔をしかめた。

それから数年が経ち、いつの間にか手も足もほとんど満足に動かなくなって、それが私の日常になった。


わかっている。わかっている。

もうじき、喋るのも食べるのも難しくなってゆくのだろう。

だが、いくら予想されているからといって、平静に受け入れられる事態ではない。


読むのは?書くのはまだ大丈夫か?

こうして痛みを堪え、ゆっくり慎重にキーを打っていけば、あと少し何とかなるか?サポーターとテーピングで、いつまで誤魔化せるだろうか?

私の言葉は、どこへいってしまうのだろう?


今の私に唯一つ言えることは、こうした苦しみのすべてが、誰にも奪われない私だけのものであるということだ。

あなたのその傷の痛みが、あなただけのものであるように。



(この頃にこんなことを感じていたという、記録として)



書くこと。生きること。:Hiromi's Blog

書くこと。学び、考えること。難病ALSに罹患し、世界や自分のあり様を疑う戦慄の時間。生きた証として書いていきます。 satohiromi.amebaownd.com/