読書メモ(21)

学校のレポート提出期限(主に東アジアの歴史の数科目)が迫っているため、趣味的な読書は次の3冊のみ。

私はまったく何も知らないのだ、という当然の事実の、いつもの衝撃と、希望。


【期間:2021/11/01~2021/11/15】

①『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』ジョージナ・クリーグ 訳・中山ゆかり(フィルムアート社・2020)

②『双葉山の邪宗門 「璽光尊事件」と昭和の角聖』加藤康夫(草思社・2020)

③『うるさい日本のわたし』中島義道(新潮文庫・1999)


①-「親愛なるヘレン・ケラー、あなたは本当のことを語っていますか? 常にヘレン・ケラーと比較されて育った視覚障害をもつ著者が、「奇跡の人」という偶像へ、怒りと異議申し立ての手紙をつづり、架空の対話を試みる。「偉人」ではない、一人の盲目の女性としてのヘレンの姿を鮮やかによみがえらせ、抑圧から魂を解き放つ、和解と再生の創造的ノンフィクション。」(帯より)

「私がこの本を書いたのは、ヘレン・ケラーという名の、私個人にとっての悪霊を追い払うためだ。ほとんどの人々が、不幸に直面した人間のもつ不屈の精神の象徴としてヘレン・ケラーを崇拝している。でも、私にとっての彼女は常に、私が見習うことを望みえなかった存在を意味していた。(中略)このことは私に、困惑と激しい怒りとをかわるがわるにもたらした。-『はじめに 読者のための覚え書きより』」(帯より)

②-「戦前の相撲界で「昭和の角聖」と謳われた不世出の名横綱・双葉山。六十九連勝という大記録を残し、敗戦の年に引退、年寄・時津風として部屋を率いていた。ところが昭和二十二年一月、金沢にあった新宗教団体「璽宇」に警察の強制捜査が入った際、その前に立ちはだかり阻止しようとしたのが双葉山だった。この「璽光尊事件」において、教祖の璽光尊とともに逮捕された双葉山は、実は非常に熱心な璽宇の信者だったのである。名横綱はなぜこの宗教団体に惹かれ帰依したのか。日本敗戦、天皇人間宣言という状況下にあって、双葉山はなぜ「邪宗」と呼ばれた宗教の門をあえてくぐったのか。双葉山そして新宗教・璽宇の姿を活写することで、敗戦後日本の語られてこなかった一面を描き出したノンフィクション作品。」(カバーより)

③-「バス・電車、デパートから駅の構内、物干し竿の宣伝まで、けたたましくスピーカーががなりたてる、この日本――。いたるところ騒音だらけ。我慢できない著者は、その”製造元”に抗議に出かけ徹底的に議論する。が、空しい戦いから浮かび上がったのは、他人への押しつけがましい<優しさ>を期待する日本人の姿だった。日本社会の問題点を意外な角度からえぐる、「戦う大学教授」の怪著。」(裏表紙より)



書くこと。生きること。:Hiromi's Blog

書くこと。学び、考えること。難病ALSに罹患し、世界や自分のあり様を疑う戦慄の時間。生きた証として書いていきます。 satohiromi.amebaownd.com/