無題20231214
2023年12月12日、国連総会緊急特別会合「人道目的の即時停戦を求める決議案」における議長の言葉。「あと何千人の命が失われれば、われわれは行動するのか。もう時間は残されていない。大虐殺を止めねばならない」。
報道に触れながら、思う。この言葉は、われわれの生きる世界がどのようなものであるかを示す言葉なのだろう。
無抵抗の私たち市民が、圧倒的な暴力に傷付けられ押し潰されその命を奪われ続けたとしても、私たちを助けてくれる他者などこの世には存在しない。私たち一人ひとりの命など、誰かの立場や思惑や利害の前にはあまりにも軽すぎて価値をなさない。それが、私たちの生きている世界のありようなのだ。
自民党の派閥の政治資金をめぐる問題。このニュースに触れた子どもたちは、何を思うだろう。
人は平気な顔をして悪いことをする。ズルをしてでも得すればいい。エライ人だってみんな陰で悪いことをしている。人を騙すなんて何てことない。真面目に努力するなんてバカバカしい。
私たちは、事実そのものだけを認識しているのではない。その事実が発するメッセージを受け止めながら生きている。私が特に懸念するのは、子どもたちへの影響だ。子どもたちは、敏感で賢く、鋭い。そして、とてつもない勢いで周囲や社会を自分の中に取り込み、成長してゆく。彼ら自身が気づかぬうちに内面化する価値基準に、大人たちは責任を持たねばならない。まっさらな子どもたちの心に、頭に、失望と戸惑いと諦めを刻み付けた罪を、私たち大人はどう償うのか。
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